ひとつかふたつか

大きくわけて二種類
うつ病の種類は大きく分けて二つあります。ひとつは抑鬱状態というもので、気分が落ち込み、意欲が低下して元気がなくなる症状です。世間一般に知られているうつの認識に近いのがこちらです。抑鬱状態の特徴としては、物事に対する興味や関心が薄れ、今まで好きだったものや趣味にも何も感じなくなったりむしろ億劫にさえ感じるようになったりすることがあります。希死念慮などもわきやすく、情緒が不安定になってしまう状態で、周囲の人もうつを疑うきっかけになりやすい症状です。もう一つは、先に述べた抑鬱状態に加えて躁状態というものが交互に現れる双極性障害というものです。躁状態は抑鬱状態と正反対の症状で、異常に元気になり、今ならなんでもできるような無敵状態の気分になります。疲れも感じにくく、つねに動き回ったり行きすぎなほど活動してしまったりするので、躁状態から抑鬱状態へ変換するときの落差が激しく非常に負担が大きくなる症状です。抑鬱状態のみか、抑鬱状態と躁状態の繰り返しかの二種類になりますが、どちらを発症しているかによって治療方法や処方する薬などが変わってきます。また、最初は抑鬱状態しかなかった人にのちに躁状態の症状も現れ始める例もあり、双極性障害へ病名が変更になるケースもあります。うつ病になった際、現れる症状が一番顕著なのはこころの症状です。まず気分が落ち込む抑鬱状態が現れ始めますが、特に朝に気分が沈んでしまうケースが多く見られます。思考力・集中力も低下し仕事に支障をきたしたり、細かい判断ができなくなったり、注意力が散漫で人の話を理解するのに時間がかかってしまったりします。うつ病の発症のメカニズムはまだはっきりしない面も多いですが、脳になんらかの異常が起きており、思考回路に異変が生じている状態です。また、意欲も低下傾向にあり、今まで好きだったものに何も感じなくなったり、テレビを見たり友人や家族との会話もつまらなく感じるようになります。身だしなみにも関心がなくなる場合が多いです。その反面、焦燥感でじっとしていられず常にそわそわしていたりする症状もあります。それに並行して、からだにも異変が起き始めるケースもあります。早朝に目が覚めてしまったり寝付けなかったりなどの睡眠障害や、食欲の低下、倦怠感などがよくある例です。ほかにも頭痛や動悸、ホルモン分泌の異常などが現れる人もいます。緊張したらドキドキするなどのようにこころとからだはつながっており、こころが正常でいられなくなるとからだにも不調が出てきてしまうのです。